ノルウェーでの生活にも慣れてきた、とある日の出来事。夕飯の支度が整い、パートナーと盛り付けをしていたところ、突如、アパートメント中に鳴り響く、大音量のアラーム音。この警告音の正体、火災報知器のアラーム音でした。
煙や炎が出ている様子がなかったので、「誤作動かな…?」と呑気に構えていたのですが、なかなか鳴りやまないので、不安になってきました。そうするうちに、アパートメント全体の人が、一斉に外に避難し始めて、私たちも慌てて外へ…。消防・警察・救急も駆けつけて、周りは一時騒然となりました。
結論を先に言うと、アパートメントの電力供給部分のメインセクションで、漏電が発生していたようです。火災報知器が作動して早急な対応がとられたことで、大ごとにはならなかったのですが、危うく火災になる一歩手前だったらしい…。怖ッ…。
今回、大事には至らなかったので、本当に良かったのですが、自身の「海外生活中における防災意識」について、改めて考えさせられる出来事になったと思います。というのも、「今回の滞在は、短期間だし、パートナーとずっと家にいるし、何かあっても大丈夫!」みたいな風に思っている節があったので、「いざという時、どうするか」ということを、私は、全くチェックしていなかったのです。
しかし、日本にいようと、海外にいようと、その「いざという時」っていうのは、急に来るワケです。その時が来てしまったら、1人であっても、キチンと冷静に行動しなければなりません。そう考えると、日ごろから備えておくって必要だな…と改めて感じました。
正直、私は今回の出来事、非常にヒヤヒヤしました。大事には至らなかったし、誰かと一緒にいたので良かったものの、1人でいたときに、同じようなことが起こったら、かなりパニックになっていたんじゃないかなと思います。
海外の短期滞在であっても忘れないでほしい、防災意識や備え。自分の戒めも込めて、シェアします。
もしもの時が来た時、どうするか
今回のように火災は、世界のどこにいても起こりえるし、自然災害だって、地域差はあるだろうけれど、絶対ないとは言い切れません。もしもの時は、突然にやってくるので、その時が来たらどうするべきかというのは、日ごろから確認しておくのは重要。…って、そんなことは百も承知だったはずなのに、ノルウェーに来て、その意識が、すっかり緩んでしまっていたと思います。
まずは、もしもの時が来たら、どうやって逃げるか、どこに逃げるかというのは、まず確認しておいた方がいいと思いました。玄関やベランダは、もちろんのこと、非常用の出口やはしごなどの有無も確認しておくのが、無難ですね。
また、もしもの時が来た時に、避難前に自分でも出来ることがあるか確認してみてもいいかもしれません。例えば、消火器やブレーカーが、どこにあるかなども確認が必要だなと感じました。ノルウェーは、各自家の中に、消火器が設置されていることが多いらしく、パートナーの家のキッチンにもデカデカと消火器がありましたが、インテリアに馴染んでいたので、言われるまで、どこにあるか気が付きませんでした。
先日も東北地方を中心に大きな地震がありました。その際に、どなたかがツイートして下さっていたもので、いいなと思ったものが、こちらの「東京防災」。東京都総務局総合防災部防災管理課による防災用のハンドブックです。本も売っていますが、kindle版とPDF版は、無料で配布されているので、海外在住の方でもダウンロードして、読むことができます。
東京で大地震が起きたら…?ということを想定して作られたハンドブックですが、海外の生活でも参考になることが多いと感じました。こういったハンドブックより、自分のお住まいの国や地域の特性と照らし合わせて、いざという時の備えを考えてみるのもいいですね。
もしもの時の備えは必須。どこにあるかも把握しておく
私の滞在先は、オール電化のため、停電してしまうと、基本的に、何も使えなくなります。そんなアパートで、今回は漏電が発生してしまったので、安全が確保されるまで、停電が発生。復旧までに時間がかかり、一晩中、電気が使えない状態になりました。
オール電化ということで、電気に頼りっぱなしの家。停電になると、本当に何も出来なくなって、困ってしまうんだということを身に染みて感じる出来事になりました。幸いにも、自宅には、大量のキャンドルとアウトドア用のライトがあったので、真っ暗な状態だけは防げたのが良かったですが、その時まで、私は、緊急用のキャンドルやライトが、どこにしまってあるか知りませんでした。
ただ、普段使い慣れていない人が、緊急事態にキャンドルを使うって、逆に火災が発生してしまいそうだったし、やっぱりランプがあると心強いんだなと改めて感じました。
ガスがないので、停電すると、キッチンで何も作れません。水道から水を出すぐらいしか出来ることがありませんでした。ラッキーなことに、私たちは、夕飯の準備ができた後に、停電を迎えることになったので、その日の食事は、あまり苦労しませんでしたが、調理の途中や、準備ができていない段階で、長時間の停電を迎えると、厳しいなと感じました。
例えば、日曜日だとノルウェーのお店は、基本閉まっています(スーパーですら開いていない)。停電する日によっては、(日本みたいに)外食で済まそうか…とはいかない日もあります。緊急時に、電気やガスなどを使わなくても、食べることができる食品は、ある程度備蓄しておくべきだと感じました。
あと、暖房も電気で動いているので、停電中は、部屋が寒くなってしまうというのが、盲点でした。その日は、特に寒い日だったので、夜は、お外-15度ぐらいだったんですよね。(噂によると、特に厳しい寒さだったので、アパートの人が一斉に沢山の電気を使用したことで、漏電が起きてしまったらしい。)
私が日本から持ってきたカイロが、こんな時に役に立つなんて思ってもいませんでした。家に湯たんぽは、あったみたいだけど、お湯を沸かすことが出来なかったので、使用できませんでした。緊急時のことを考えると、電気以外で暖を取れる方法が、このアパートには存在していないことに気がついたので、今後のために、何か探したいと思うきっかけになりました。そういう意味では、このアパートに、THE・北欧の家みたいな暖炉があれば、かなり状況は変わったんだろうなと思います。
停電中、家のWi-Fiも消えてしまうというのが、個人的にはツラいなと感じました。特に、海外短期滞在の人ほど、家のWi-Fiに頼るケースが多いかと思います。このように、突然停電が発生することで、Wi-Fiが使えなくなって、連絡方法が失われるという場合、結構、困るケースですが、無きにしも非ずですね。緊急のとき、どのように家族や知人と連絡を取るかは、確認しておく必要がありますね。
最悪の場合、誰かと連絡がとれず、非常時に、1人で行動しなければならないということを改めて感じた本件。もしもの時の備えが十分であるかどうか、それがどこにあるかも、日ごろからキチンと確認しておかなければ、いけないですね。
まとめ
今回は、火事を未然に防ぐことができたがゆえの停電だったからこそ、こんな程度で済んだわけです。大ごとにならなくて本当によかった…とヒヤヒヤする経験になりました。災害などの緊急事態は、突然やってくるから備えは大切。そんなことは、百も承知でしたが、ノルウェーは、日本に比べて災害が少ないし、今回はパートナーも在宅でほとんど家にいるから、何か起きてもなんとなく大丈夫だろうと、高を括っていた節がありました。でも、地球のどこにいても、もしもの時は、やってきてしまうもの。海外にいようと、どこにいようと、もしもの時の備えや対応、日ごろから確認は必須ですね。
日本帰国後、自宅の防災セットをチェックしてみると、備蓄食が賞味期限切れしてました。緊急時の防災セット見直しが必要だなと思っている次第です。