11月初旬に、ノルウェー政府は、ノルウェー入国に関するコロナ政策を厳格化しました。政策内での大きな変更点のうちの1つ、海外からの入国者は、10日間の自宅隔離からホテルでの隔離が必要になったこと。元々私は、パートナーの自宅で隔離をする予定にしていたので、この急な変更は、非常に想定外でした。
こんなときに行くべきか…と、非常に悩みましたが、結局私は、少ない情報から考えられるすべてのことを想像し、渡航の準備を進めることに。ノルウェーに入国後、そのまま政府が指定する隔離ホテルで10日間の隔離を行いました。
この記事で分かること
・ノルウェーの隔離ホテルについて
・隔離ホテル内で出来ること・出来ないこと
・実際に隔離してみた感想
・隔離ホテルに持参して良かったもの
今回は、ノルウェーの隔離ホテルについての情報のみならず、実際に隔離をしてみて感じたこと、持ってきておいてよかったものなどを紹介します。これからノルウェーや第三国にて、ホテル隔離をしなければならない方のお役に立てれば、幸いです。
隔離ホテルについて
基本情報
基本的に隔離対象者が隔離をするホテルは、空港直近のComfort Hotel Runwayというホテルになります。隔離者が、ホテルを選ぶことはできません。全ての客室が満室になれば、別のホテルに対象者を連れていくというニュース記事を読んだことがあるので、絶対にComfort Hotel Runwayで隔離というわけではないようです。空港からは、専用のバスで移動します。バスの移動の料金は、無料です。1泊500nkr(日本円にしておおよそ6000円)かかります。隔離者がチェックアウト時に一括で支払います。
空港からバスで10分ぐらいの場所にあるため、ホテル周辺は、ほぼ何もなし。道路と空港しかない…というような立地です。Comfort Hotel Runwayの庭や一部の部屋は、オスロ空港の滑走路と隣り合わせなので、飛行機は、一日中見放題。飛行機好きには、面白いかも??
隔離ホテルでできること
隔離ホテルで隔離ということで、完全に部屋から一歩も出られない厳しい隔離をしなければならないかと思っていましたが、実際泊まってみると、色んなことができるので、ゆるゆるの隔離でした。どんなことが、隔離ホテル内で許されているか、以下、まとめました。
外出
一番驚いたことになりますが、自分の部屋やホテルの外に出るのは、自由。ホテルの外であれば、誰かと会うのも許されています。しかし、公共交通機関の利用やスーパー・レストラン・バーなどのお店を利用することはできません。例えば、隔離対象でないパートナーと外で待ち合わせして、外を散歩したり、近くの公園でピクニックを2~3時間してもいいし、家族やパートナーに必要なモノを持ってきてもらっても、問題ないとホテルの人に教えてもらったので、多くの人が、外で誰かと会っていました。(*空港周辺は、オスロより北に位置しているため、オスロより寒め。私が到着した時も、昼間なのに、-5度ぐらいだったので、正直ピクニックとかしていられない寒さでは、あります。)
隔離中、パートナーとは全然会えないと思っていたので、ホテルの外でなら会えるのは、嬉しかった。私は、パートナーに会うときに、追加で必要な食材やモノを持ってきてもらいました。ちなみに、衛生面上、ホームメイドの食材の持ち込みはダメらしいが、持ち込んだものを誰かがチェックするわけはありません。確かに、ここで万が一、食中毒にでもなってしまうと大変なことになるので、ホームメイド食品の持ち込み禁止は理にかなっているとは思いました。
ホテルのスタッフ曰く、この隔離は、quarantineだけど、isolateではないとのこと。これなら、家で隔離でもよかったのでは??とツッコみたくなるぐらいのゆるさでした。
デリバリー
一応、1日3回食事の提供があります。しかし、人によっては、食事の量が足りない、提供された食事が口に合わない、似たような食事に飽きた、変な時間にどうしてもお腹が減ったなど、3回の食事提供では間に合わないこともあるかと思います。
そんな時は、デリバリーで、好きなモノを注文することが許されています。ただ、調べたところ、空港周辺でデリバリー対応している店が、非常に少ない…。通常時であれば、配達可能表記のある空港内のお店も現在は、ほとんどが営業していないため、より選択肢がなかった印象。ピザかケバブ屋さんしか見つけられなかったので、正直、デリバリーに期待しない方がいいと思います。
デリバリーを頼む際は、ホテル経由ではなく、個人で勝手に注文してOK。宅配アプリなどを駆使して、個人で注文。そして、宅配がくるのを下のロビーで待ち、各々が入り口で受け取るという流れです。隔離なのに、自由すぎ。
ゴミ出し
10日間も生活していると色々とゴミが出ます。こういったゴミに関しても、自分の部屋から出して捨てることができます。
各自部屋の前においておけば、スタッフが回収してくれるのと、フロアの中央に、共通のゴミ箱が設置してあるので、そこに捨ててもOK。ゴミの捨て方に関しては、特にルールなし。ゴミ捨て場では、ペットボトルとその他で捨てていたので、私もそのように従ってゴミ捨てを行いました。
無料のPCRテスト
ノルウェー到着時、PCRテストは必須ではなく、推奨ベースです。隔離ホテル内で、無料のPCRテストを受けることが可能です。任意のテストなので、自分からフロントに申し出ないといけませんが、テストを受けたいと伝えると、すぐに日時の予約が可能です。日本でPCRに何万円も支払った身からすると、無料で検査してくれるのは、非常に有難いなと感じました。私は、念のために受けときました。検査後、後日登録した携帯のSMSに結果が届きます。陰性で、ほっとしました。
隔離ホテルでできないこと
隔離ホテルとはいえ、色々なことができるノルウェーの隔離ホテルでしたが、やっぱり、できないことも多かったです。できなかったことも、以下でまとめました。
部屋の清掃やジムなどのサービス
通常のホテルであるようなルームサービスは、一切ないです。例えば、ベットメイキングなどのサービスは受けることができません。しかし、タオルの交換やトイレットペーパーの補充などは、ロビーまでいけば、もらえます。
またこのホテルには、フィットネスジムやサウナがあるようですが、そういったホテルの施設も仕様不可。口コミによると、朝食が美味しいようですが、レストランも開いていません。
洗濯機を使った洗濯
ホテル内に、自由に使えるコインランドリーみたいな場所は、なかったです(もちろん、部屋にもない)。だから、洗濯をしたければ、自分の部屋の洗面所の水道で、手洗いするしかありません。幸いにも北欧は、日本よりも乾燥しているからか、冬に部屋干しをしていても一晩から1日で乾くので、下着・靴下・薄手のシャツぐらいなら、洗おうと思えば、洗えました。部屋干し独特の生臭さもなかったので、とりあえず、着まわす分は、手洗いで乗り切るしかないですね。
自炊
部屋にキッチンがないため、自炊ができません。キッチンがあれば、もう少し快適度が増したかと思うのですが、致し方ありません。
ちなみに、冷蔵庫もないので、仮に誰かに冷凍食品持ってきてもらっても、保管が難しいです。冬だからといって、日本から気合いで要冷蔵の物を持ってこようとしている人は、要注意です。
しかし、私の部屋には、外側の窓と内側の窓にスペースがある部分(2重窓)がありました。外側の窓を少し開けておいて、空きスペースに食材を保管しておけば、外気の冷気による即席の冷蔵庫が完成したので、冷蔵庫なくても冷やす分には、何とかなりました。
ホテル内に、電子レンジや自動販売機もなかったので、個人的には、食関係が不自由で、辛かったな…。
隔離部屋にあったモノ・無かったモノ
隔離部屋にあったモノ・無かったモノをまとめました。荷造りの参考にして頂ければと思います。
隔離部屋にあったモノ
ドライヤー、電話、テレビ、ハンガー(6本)、トイレットペーパー、シャンプー(ボディーソープと兼用しているやつ)、ハンドソープ、バスタオル(2枚)、フェイスタオル(2枚)、ベッド(シングル×2台)、バスルーム(トイレ・洗面台・シャワー)
隔離部屋に無かったモノ
電子ポット、コーヒー・紅茶のパック、カップなどの食器類、歯ブラシ・歯磨き粉、リンス、化粧水・化粧落とし、綿棒・シェーバー、スリッパ、パジャマ、冷蔵庫、ティッシュ、ゴミ箱、お風呂(バスタブ)
隔離部屋についた時は、かなり綺麗な印象を受けたので、もう少しアメニティー系が置いてあるかと思いましたが、想像していた以上に、何もない部屋でした。
ただ、途中で歯磨き粉が切れかかってしまったので、フロントに問い合わせると、すぐに歯磨き粉をくれました。各々の部屋には常備していませんが、最低限のアメニティーは、実は、ホテル側で用意してあるようですね。歯磨き粉があるぐらいだから、歯ブラシもあるのだろう。
ホテルの人(特にフロント)は、非常に親切で丁寧なサービスをしている印象。基本、自分で持ってこれるものは、日本から持ってきた方がいいとは思いましたが、万が一、○○がなくて困ったな…というときは、とりあえず、フロントに聞いてみたらいいと感じました。だいたい助けてくれそうな雰囲気でした。
持ってきてよかったモノ・持ってくればよかったモノ
ホテル内にあったモノ・無かったモノを通じて、実際持ってきてよかったモノや持ってくればよかったモノを、紹介します。普段から、食に対するプライオリティーが高いので、食事関連のお話が多いですが、悪しからず。
飲み物関連(カップ・タンブラー・お茶)
このホテルで、トップクラス級に衝撃的だったこと、それは、飲み物関連のアメニティーが、各部屋に準備されていないということです。例えば、電子ケトルは、部屋にありません。コーヒーとお湯が入ったタンク?が、ホテルのフロア中央に用意されているので、隔離者は、皆同じ蛇口をひねって、コーヒー・お湯を確保しなければなりませんでした。ちなみに、紅茶のティーバックや砂糖なども、その共有スペースに一式置いており、必要な人が取りに行くというスタイルでした。
さらに、部屋には、マグカップなどの食器類が一切ありませんでした。何かを飲みたいときは、コーヒー・お湯のタンクの隣に、置きっぱなしの紙コップを、各々が必要な分だけ取っていくという形で、カップを調達しなければなりませんでした。
ダイレクトに口にするものを、不特定多数の人と共有する場所から取っていくのは、感染予防について考えると、正直、気が引けました。少なくとも、私たちって、コロナをもって海外からやってきた疑いがあるから、ホテル隔離させられているのに、ここでクラスターが発生しかねない…そんな気配もしなくもなかった。
毎回コーヒーが濃すぎたので、人によっては口に合わないと思いました。(私は飲めなかった。)
最悪、お湯は、ホテル内でもゲットできるので、自分の好みの紅茶・緑茶などのティーバックを持ってきた方がいいと思いました。手に入るとはいえ、ホテルには、小さい紙コップしかないので、もし可能なら、マグカップやタンブラーを持参しておくとよりいいと思います。
誰か差し入れしてくれる人がいるなら、自分の部屋で使える電子ケトルとか持ってきてもらってもいいかも…と、後になって思いました。Myケトルさえあれば、自分の部屋の水を沸かせばいいので、感染症対策を考えるなら、もう少し安心できるのではないでしょうか。(ちなみに、ノルウェーの水道(冷水)は、基本的に、飲んで大丈夫。ホテルの水道水も飲んでいいと記載がありました。)
食べ物関連(食器・スプーン・インスタント)
先ほどの飲み物関連の話に似てきますが、食べ物関係も持ってきた方が良いかと思います。何故なら、暗い隔離ホテルで、唯一、士気を高められることは、食事なのに、ホテルから提供される食事が、イマイチだし、先に述べた方に、デリバリーも期待できないから。
とはいえ、残念ながら、キッチン・電子レンジ・冷蔵庫がないため、お湯で食べることができるインスタント食品に頼るほかないんです。提供される食事には、スープ関連が一切出なかったので、個人的には、味噌汁や卵スープといったような、ほっと温まるスープがあるだけで、気分を高めることができたなと思います。
朝食と昼食は、10日間ほぼ毎日同じものが登場。朝と昼が、10日間代わり映えしないのが、個人的にはツラかったです。お湯を入れれば食べることができるインスタントのカップパスタ・春雨・ラーメンなど、何日間か隔離食と置き換えできるものを持ってきておくのも、一つ手だと思います。
毎晩、プラスティックの簡易フォークとナイフが支給されますが、それ以外で、食器類を手に入れるチャンスがありませんでした。スプーンを日本から持ってきていたのは、非常に助かったなと思います。
あとは、インスタントスープを入れるための汁椀も持ってきたのですが、これもあって便利でした。汁椀なければ、ホテル内で入手できる小さい紙コップで、飲もうと思えば飲めるんですがね…。自身が持ち込もうとしているインスタント食材に応じて、スプーン・ナイフ・フォーク・お箸を持参しておくのが、いいかと思います。百均に行って、サッとそろえておきましょう。
お掃除関連(ゴミ袋、洗剤、洗濯用品)
隔離中、ゴミ捨てが自由なのはよかったですが、ゴミ袋が支給されないのが、ちょっと不便だなと感じました。制限のある隔離生活中なので、そこまで大量のゴミが出ませんが、それでもやっぱり、毎日ちょっとずつゴミが発生してしまいます。定期的にゴミを捨てられるように、小さめの袋を用意しておくといいなと思います。
持ち込んだマグカップや食器類があれば、自分で手洗いすることになるので、旅行用のミニケースなどに入れて食器用洗剤類を持ってくるといいと思いました。また、洗濯用洗剤に関しても、同じことが言えますね。かろうじて、服は何とかなっても、10日間も生活してると、下着類はどうしても洗わないといけないので、洗濯用洗剤もあると便利。
部屋には、ハンガーが数本ありますが、下着や靴下などは、干しにくいので、小さめの洗濯ハンガーがあると、かなり便利です。私は折りたたみ式の小さい洗濯ハンガーを持参していたのですが、かなり快適度が上がりました。
外出関連(運動着・靴)
外出も自由にできたので、隣町までランニングしてきた人もいると噂に聞きました。隔離中、部屋にこもりっぱなしだと運動不足になりやすいため、外に出れるのは、非常に有難いことです。運動したい人は、運動しやすい服装の用意があると、いいかと思います。
注意が必要なのは、隔離ホテルは、オスロよりも北部に位置するオスロ空港の周辺。私が訪れた11月の時点でも、雪が積もっていました。まだ、そのころは、降り始めの頃で、雪はフワフワ、地面は凍っていなかったので、日本から持ってきたスニーカーでも歩くことができました。しかし、その後、さらに雪が降り積もったり、地面が凍り始めたりしていると思うので、季節によっては、同じスニーカーで歩けるかは、疑問です。あと、かなり寒いです。運動着も、冬の屋外を想定して持ってきてください。
気象条件に関わる話なので、こればっかりは、現地についてみてからでないと分からないことではありますが、日本の豪雪地帯出身でない人にとっては、冬の外出の常識が通用しない部分であるなと身に染みて感じました。(私は、冬の北欧はこれが初めて。)
荷物にもなりますし、特に冬用の衣類や靴は、ノルウェーで現地調達がおすすめなので、ホテルまで会いに来てくれる人がいれば、持ってきてもらった方がいいかもしれませんね。
美容関連(シャンプー・リンス・化粧水)
部屋に、一応シャンプーはありました。しかし、ボディーソープと兼用しているタイプのシャンプーなので、これをシャンプーと見なすかは、人それぞれだと思います。リンスやコンディショナーもなかったので、髪のケアがそれなりに気になる人は、日本からお気に入りのシャンプーやリンスを持参する方がいいと思います。
美容関係の物も同様のことが言えます。洗顔や化粧水などは、部屋に支給されていないので、必要な人は、持ってきた方がいいと感じました。特に、部屋が非常に乾燥しているため、肌の乾燥が、かなり気になりました。日ごろ使っている化粧水や保湿クリームなどがあれば、必須です。
VPNの利用
持ってきたらよかったモノというより、用意しておいてよかったモノが、VPNの利用です。ホテル内では、無料のWi-Fiが利用できたのですが、パスワードなしのオープンWi-Fiでした。安全だと信じたいですが、不特定多数方が利用するホテルのオープンWi-Fiということで、セキュリティー面が非常に心配だったので、私は、VPNを利用することにしました。
VPNとは、バーチャルプライベートネットワークの略称です。VPNを介することで、暗号化されたインターネットを利用できるため、オープンWi-Fiだけを使用するより、セキュリティー面で安心ということです。
また、海外にいると、地域による閲覧制限がかかり、日本のサイトやコンテンツにアクセスできないということがありますが、VPNを利用すれば、そういった悩みも解決します。例えば、動画配信サービスには、日本国内でしか観ることができないように制限がかかっている作品がありますが、そういった作品も、VPNを利用することで、国外から視聴することができます。
私は、NordVPNを利用して、隔離ホテル生活を楽しみました!
\ NordVPNの公式サイトは、こちらから /
海外のホテルで一人隔離となると、本当に暇なわけです。部屋に引きこもる限り、どうしても、インターネット上のコンテンツに頼らざるを得なくなるので、VPNはあってよかった!
まとめ
色々書きましたが、私が隔離をした時点では、ノルウェーの隔離ホテルでの隔離は、かなり自由なものでした。当時のルールが今も継続しているなら、ノルウェー国内に、ホテルまで会いに来てくれる人がいる場合、足りないモノなどを持ってきてもらえます。頼れる人は、足りないものを誰かに頼ってみるのも一つの手段ですね。正直、このレベルの隔離なら、ホテルでわざわざ隔離する意味あったのかな?と、非常に不満でしたが、政府の方針なので、致し方ありませんね。入国させてもらえるだけ、有難いお話なので、文句ばかりも言っていられません。
今回滞在したホテルのスタッフさんのサービスが良かったのと、ベッドがかなり寝心地が良かったので、自由に旅ができるようになった際に、オスロ空港で早朝便や深夜便を利用するときは、また利用したいな~と思いました!
ノルウェー入国から日本帰国に関する記事のまとめも、是非。